理事長挨拶
JORTCは2012年の発足以来、緩和ケア領域の研究を数多く支援してきました。2016年には国立がん研究センターにJ-SUPPORTが設立され、緩和ケア研究を支援する環境が整って来ています。このような背景から、緩和ケアのエビデンスが少しずつ集積されて来ており、現在はさらなるエビデンスの創出が求められています。JORTCでは研究者を、とくに若い研究者を支援して、臨床研究をサポートすることにより、その成果を実臨床に還元し、国内外へ情報発信を考えております。JORTCの活動の生命線は「人と人とのつながり」です。研究者をはじめ、臨床研究に携わる多くの職種の理解と支援を賜り、JORTCは成り立っております。
そして、JORTCは第4期のミッションとして、これまで継続してきた活動の更なる発展とAI時代に対応する臨床研究の支援を掲げております。
ひきつづき、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。
NPO法人JORTC 理事長
岩瀬 哲
埼玉医科大学病院 緩和医療科 教授
このたび、第3代理事長に就任いしました坪井正博と申します。日頃は国立がん研究センター東病院呼吸器外科にて科長として手術や呼吸器外科治療のスペシャリストの育成、新薬の治験の実施や臨床研究による治療法の開発に従事しております。臨床研究は病気の予防、治療法の開発、患者さんの生活の質の向上などのために行い、その結果は日常診療の基盤となります。
JORTCは、質の高い臨床研究を実施し、良質な医療の普及に貢献したいという研究者の熱意を支持して、エキスパートによる臨床研究のサポートをすることにより実診療の場で患者さんへの成果還元と、国内外への適確な情報発信の推進を目的としています。
我々の活動の生命線は「人と人とのつながり」です。初代山口拓洋理事長、第2代江口研二理事長を始めとするNPOスタッフの方々が展開してきたJORTCパワーをさらに発展・継続していくことが第3期JORTCのミッションと考えます。
医療に関連する多職種・多領域のエキスパートの叡智を結集して、JORTC活動をさらに強力に展開して行こうではありませんか!
NPO法人JORTC 第3代理事長
坪井 正博
国立がん研究センター東病院 呼吸器外科
最近では、欧米の一流医学雑誌に本邦初の大規模臨床試験に関する報告が論文として掲載されるようになりました。がん薬物療法の分野では、介入型の第III相比較試験結果などが20年以上前から報告され始めていましたが、欧米に比べ臨床試験を支える体制の脆弱性や研究資金の少ないことが現在でも指摘されています。
特に、本邦における緩和ケア領域の臨床試験推進に対する期待は大きくなっているものの、質の高い緩和ケアの臨床試験の実施の難しい状況が続いております。
JORTCは、特にこの分野を中心に質の高い臨床試験を実施し、良質な医療の普及に貢献したいという研究者の熱意を支持して、実診療の場で患者さんへの成果還元と、国内外への適確な情報発信の推進を目的としています。
我々の活動の生命線は「人と人とのつながり」です。私自身は、緩和医療も含めた広義の腫瘍内科医として、悪性腫瘍診療に長い間携わってきた臨床医です。初代山口拓洋理事長を始めとするNPO設立スタッフの方々が展開してきたJORTCパワーをさらに皆の力を合わせて充実させることを、第2期JORTCのミッションと考えます。
がん医療に関連する多職種・多領域のエキスパートの叡智を結集して、JORTC活動をさらに強力に展開して行こうではありませんか。
NPO法人JORTC 第2代理事長
江口 研二
帝京大学医学部 難治疾患支援学講座 特任教授
わが国は欧米諸国と比較して、いまだ臨床試験の実施体制が整っているとは云えず、臨床試験を支援する体制が求められております。特に緩和ケア領域では臨床試験を支援する組織が皆無であり、質の高い緩和ケアの臨床試験が実施できない状況が続いております。
患者さんはもちろんのこと、実際に患者さんに接する医師、看護師、薬剤師ら、あるいは、アカデミアのみならず、行政(規制当局)、産業界からも本邦における緩和ケア領域の臨床試験推進に対する期待は大きくなっております。
私どもNPO法人JORTC (特定非営利活動法人:Japanese Organisation for Research and Treatment of Cancer;日本がん研究治療機構)は、「がん治療」および「緩和ケア」の臨床試験、ならびに患者報告アウトカム(Patient-Reported Outcome: PRO)を測定する尺度開発を支援する目的で設立を起案しここに至りました。具体的な支援活動は、データセンター業務、プロトコール作成支援、データ管理、モニタリング業務、統計解析、医学論文作成支援、プロトコール審査委員会や独立データモニタリング委員会の設置など臨床試験の企画・運営です。
我々の活動の生命線は「人と人とのつながり」です。私自身は医学に関する統計学を専門とした研究者であり、緩和ケアの専門家ではなく、実際に現場で患者さんに接することはありません。しかしながら、緩和ケアの先生方を通じて研究に関わるようになり、悲惨な日本の現状を何とか打開したいと思い続けてきました。おかげさまで、今回のJORTC設立におきましては、アドバイザリーコミッティーの先生方を中心に、たくさんの方々の賛同をいただきました。JORTCのロゴマークは真田家の家紋である六文銭紋を参考にさせていただいおります。臨床試験の核となるのは、責任・分担医師、コーディネーター、プロジェクトマネジャー、医学統計家、データマネジャー、モニターであり、まさに6つの輪が互いに協力し合い、現在のさらには未来の患者さんのために有意義な情報が得られるよう頑張っているのです。
JORTCは設立したばかりの小さな組織であり、スタッフ関係者も若手が多くを占めますが、コミュニケーションを大事にして、共通の目的をもって日々の活動に邁進しております。みなさまのご支援とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
NPO法人JORTC 初代理事長
山口 拓洋
東北大学大学院医学系研究科 医学統計学分野 教授
東北大学病院 臨床試験データセンター センター長
東京大学大学院医学系研究科 臨床試験データ管理学講座 特任教授
掲 載 日:2012年12月13日
最終更新日:2024年09月19日