JORTC市民公開セミナー

第5回 JORTC市民公開セミナー in 札幌
『緩和ケアを知ろう!~あなたに伝えたい、緩和ケアの今~』

5月27日(土)「第5回JORTC市民公開セミナー in 札幌」を開催しました.
・8月25日(金)Q&Aコーナーを追加しました.
・8月01日(火)講演動画2演題を追加しました.
・6月05日(月)開催報告(会場風景写真など)を追加しました.
・5月22日(月)4名の演者メッセージを追加しました.



■イベント報告

第5回市民公開セミナーとなる札幌開催。おかげさまで満員御礼!内容も大好評いただきました。

今回は「緩和ケアを知ろう!~あなたに伝えたい、緩和ケアの今~」をテーマに、臨床最前線はもちろん多岐にわたり活躍されている医師、看護師、薬剤師であるエキスパートの先生方より、それぞれのお立場から大変わかりやすく熱い思いが伝わってくるご講演をいただきました。 また、皆さんの思いとともに多くのご感想・ご質問もいただき、やはりQ&Aセッションの時間だけではお答えしきれませんでした。お答えしきれなかったご質問等も含めて、別途フィードバックさせていただきたいと考えております。 ご参加いただいた患者さん・ご家族をはじめとする一般市民の皆さんはもちろん、医療関係者の方々も、有意義な時間をご一緒できたのではと思います。

参加者もちろん、司会・演者の先生方はじめご協力・ご支援いただきました関係各位の皆さま、改めまして厚く御礼申し上げます。
今後も皆さんの声をいただきながら、セミナーはじめさらに有意義な企画を開催していきたいと考えております。 関係各位の皆さま、今後ともご協力・ご支援の程、何卒宜しくお願い致します!

◇会場風景写真


JORTC 坪井理事長, 司会 古賀真美さん, 講演演者 上村先生, 川村先生, 久原先生, 安井先生(講演順)、なかなか聞けない貴重なお話を有り難うございました!


Q&Aセッションでは、皆さんの思いとともに多くのご感想・ご質問もいただき、セッション時間だけではお答えしきれないほどでした.

■講演動画閲覧

「がんと向き合い 自分らしく生きる
~がんと共に生きるために、そしてがんになった家族を支えるために~」
 上村 恵一 先生

  市立札幌病院 精神医療センター
「がんだけではない!緩和ケア」
 安井 博規 先生

  東京大学医科学研究所附属病院 緩和医療科



●Q&Aコーナー

本会時のアンケート記載いただいたご質問について、会場でお答えしきれなかったものも含めて、
司会・演者の先生方からコメントをいただきました。ぜひご参考ください。



Q1
家族のサポートが受けられない独身や独居の患者さんに対してはどのように援助をしていったら良いかいつも悩みます。又、主治医が本人や家族に余命を告知せず、外泊もできないまま亡くなる患者さんを見ていると本当に最期がこれで良かったのだろうかと自問自答してしまいます。

A1
本人の意思が大切であり、最期を家で迎えたいと思うか。言い換えれば臨終の瞬間、隣に誰もいなくてよいという覚悟が持てることがすべてかなあと思います。当然ながら海外のようにボランティアなどの在宅普及が促進していない日本の現状では、少なくとも最期の時間の瞬間には駆けつけることのできる支援者の存在が不可欠であると思います。


Q2
緩和ケアチーム、緩和ケア外来、(在宅でも。)緩和ケア病棟では、受ける緩和ケアに違いはあるのでしょうか?やはり病棟の方が手厚いケアがうけられる等違いがあるのでしょうか?

A2
基本的な緩和ケアといって、痛みやつらさの緩和ケアは、少しでも教育を受けた医師であれば対応可能です。チーム、緩和ケア外来、緩和ケア病棟はいずれも緩和ケアの専門的な技能をもって医師が必ず対応するのでどこであっても専門的なケアが受けられます。


Q3
医療環境が十分整っていない地方でこのような緩和ケアが受けられるか、現実的に目指せるのか不安です。

A3
北海道は二次医療圏といっても広く、すべての地域で十分な緩和ケア提供体制が整備できていないのが現状です。引き続き均てん化に努力いたします。


Q4
積極的な治療について。家族が望みませんと言えば今までしていた点滴も終了してしまうことがあるのか?

A4
本人の意思コミュニケーションがはかれる場合に本人からの意思を確認しないままに治療を中止することはありません。本人の意思が確認できない場合でも、ご家族と共に本人の意思決定が可能であった場合にご本人がどう判断するかを推測し、治療の継続を判断致します。


Q5
今の日本の医療機関で「積極的緩和ケアを希望します!」と申し出てどの程度の病院が受け入れてくれるのでしょうか? 北海道では、旭川医大と札幌市立病院だけなのですか? 限られた病院のみということですか? 緩和医療科の普及は?

A5
全国に約400あるがん診療連携拠点病院では緩和ケアは希望すれば必ず受けられます。緩和医療科も多くの病院に普及してきています。


Q6
緩和ケア病棟がある病院は道内にもいくつかあると思います。中でも悪性疾患以外の病気により、緩和ケアを受けられる緩和ケア病棟は、道内に実際、ありますか?また、探す手段はありますか?療養病棟がその役割でしょうか?今後、患者さんやご家族への情報提供できるようご存じであれば教えてください。

A6
現在の保険診療体制において、緩和ケア病棟に入院可能な疾患が悪性腫瘍とHIV感染症のみであって、呼吸不全、心不全、腎不全、神経難病、認知症などの終末期を緩和ケア病棟で過ごすことができない現状です。ご指摘の通り療養病院がその役割を担っています。悪性腫瘍以外の方が緩和ケア病棟で亡くなられる現状を踏まえて、どのような病院にも緩和ケアの普及が必要であると実感しています。


Q7
93才の母のことです。6年前に悪性リンパ腫の治療を行い、退院後定期的な検査の結果は良好です。半年程前より、体のあちらこちらの痛みをうったえるようになりました。飲み薬の痛み止めでは、ききが悪いようです。年齢的なからみでの留意点はありますか。宜しくお願いします。

A7
強い痛みに対して使用される医療用麻薬であっても、副作用に配慮しながら適切な投与量をせっているすることが疼痛緩和をはかることは十分可能です。飲み薬で対応できることが、在宅での療養期間を長く確保できるのでまずは経口薬で十分対応することが原則になります。飲食、飲水などに支障が出てきた場合は傾向ではない、貼付剤、注射剤などが選択肢になり、もちろん在宅で適切な管理の元もとで継続することができます。


Q8
不眠の薬は積極的に使用して寝るようにした方がよいでしょうか?

A8
> 眠りの満足度はその人によって様々です。加齢と共に生理的睡眠時間は減少してきますし、睡眠薬には必ず副作用が伴います。不眠への対処はまず、不眠の原因になっていることがないかを判別すること、生活習慣を見直してみること、環境変化だけで生じている一時的な不眠ではないかを判別し薬物療法を検討すべきかと思います。





●開催概要

日時:  2017年 5月 27日(土)13:00~16:00[受付開始 12:00]
場所:  ACU-A 中研修室1206
     〒060-0004 北海道札幌市中央区北4条西5丁目 アスティ45ビル12階
     交通アクセスはこちら
対象:  患者さん・ご家族はじめ一般市民、医療従事者の皆さん
定員:  100名(先着順)※事前申込み必要
参加費: 無料
=主催= NPO法人JORTC
=後援= 厚生労働省・北海道・札幌市
     特定非営利活動法人日本緩和医療学会
     一般社団法人日本癌治療学会
     公益社団法人日本臨床腫瘍学会
     認定NPO法人キャンサーネットジャパン
     北海道新聞社

※本セミナーは、以下の助成金を受けて開催しております。
公益財団法人 笹川記念保健協力財団 2017年度ホスピス緩和ケア助成事業「地域啓発活動助成」

開催案内パンフレット/参加申込書はこちら

≪開催当日の注意事項のお知らせ≫
① 施設・会場への立入りについて
セミナー当日 5月27日(土)は、会場施設への立入りは12:00以降となります。 12:00までは会場への立入りができませんのでご注意ください。受付は12:00開始予定です。
② 会場での飲食について
会場内でのご飲食はご遠慮ください。
③ 写真撮影について
当日の会場内では、ホームページなどへの報告掲載・開催記録を目的として、 運営スタッフが写真撮影・講演動画収録を行ないます。ご了承ください。 参加者の皆さまのお顔を撮影することはございませんのでご安心ください。



●プログラム / 演者からのメッセージ

□司会□ 古賀 真美 氏
(NPO法人JORTC理事/認定NPO法人キャンサーネットジャパン プロジェクトマネージャー)


13:00 ■開会挨拶■
 市立札幌病院 精神医療センター
 上村 恵一 先生


13:05~■ 講演1 ■
『がんと向き合い 自分らしく生きる
 ~がんと共に生きるために、そしてがんになった家族を支えるために~』
 上村 恵一 先生
 市立札幌病院 精神医療センター

≪上村 先生からのメッセージ≫


13:35~■ 講演2 ■
『緩和ケア~がんになっても自分らしく暮らすための工夫』
 川村 三希子 先生
 札幌市立大学 看護学部 教授

≪川村 先生からのメッセージ≫


=休憩=(14:05-14:15)


14:15~■ 講演3 ■
『痛みどめの薬との上手なつきあい方』
 久原 幸 先生
 株式会社ファーマホールディング 事業統括本部
 緩和薬物療法認定薬剤師・麻薬教育認定薬剤師

≪久原 先生からのメッセージ≫


14:45~■ 講演4 ■
『がんだけではない!緩和ケア』
 安井 博規 先生
 東京大学医科学研究所附属病院 緩和医療科

≪安井 先生からのメッセージ≫


=休憩=(15:15-15:25)


15:25 ■Q&Aセッション■


15:55 ■閉会挨拶■
 JORTC理事長/国立がん研究センター東病院 呼吸器外科 科長
 坪井 正博 先生


●参加申込み方法

参加ご希望の方は、①代表者氏名(ふりがな)②人数 ③ご連絡先(電話番号 or Eメールアドレス or FAX番号)をご記入のうえ、EメールまたはFAXにてお申込みください。
※上欄の案内パンフレット/参加申込書もご参照ください.

≪参加申込み締切日≫ 2017年 5月 19日(金)

●参加申込み・お問い合わせ先

「特定非営利活動法人JORTC事務局」木原・佐藤 宛
 e-mail:info@jortc.jp TEL:03-5604-9850 FAX:03-5604-9851


掲 載 日:2017年08月25日
最終更新日:2017年08月25日